柏文の日記
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長崎県のだんだん畑十選が決まる
   県はこのほど「長崎県のだんだん畑十選」を決めて、公表した。これは従来からあった「長崎県の棚田十選」に次ぐもので、棚田については全国的に展開されているが、だんだん畑の選定については長崎県が初めてのケースであり、ユニークなものとなっている。

   中山間地域の多いわが県では、棚田と同じく、だんだん畑もまた貴重な農山村の原風景であり、重要な農業の基盤であることに違いはない。これらを広く県民や県外の人々に知ってもらって、農業の大切さ、将来のあり方などについて考えてもらおうという趣旨もある。県内の子供たち、さらには修学旅行生らに本県の農山村を体験してもらい、市民が参加する観光農園ツアーなどにも役立ててもらいたい、との意向もある。

   十選をあげて見ると(1)番目は長崎市宮摺の日本一のびわ生産地である。橘湾をバックに広がるびわ園の景観は素晴らしく、地元の小学生や修学旅行生、都市住民らを対象にした体験ツアーは好評であり、地域の活性化に貢献している。(2)番目は佐世保市勝負越のみかん畑と大村湾や歴史ある針尾無線塔とが織り成す景観である。また九州自然歩道の長崎県ルートが近くを通るなど今後の活性化への取り組みが期待される。

   (3)番目は諫早市飯盛町の橘湾沿いに広がる見事に整備された畑である。馬鈴薯や人参を主体に生産しており、そのほ場は土羽を石積みで整備し、その一面にイワダレソウが植えられ、春から夏にかけて白色や黄色の花を咲かせるなどの景観は美しい。橘湾の向こうには雲仙岳も見える。
(4)番目は諫早市多良見町のみかん園である。大村湾を見下ろし、山肌の緑のみかん畑が織り成す景観は優れている。(5)番目は対馬峰町のそばや甘藷、馬鈴薯、長ネギなどを植えただんだん畑である。荒々しい対馬海峡の海と澄んだ空の中で、その風景はまた美しいものがある。

  このほか(6)番目は五島市福江上崎山の飼料作物や葉タバコ、馬鈴薯、ソラマメなどを植えた大小さまざまの丸畑であり、五島灘に面し、鬼岳の山頂から望まれる優れた景観である。(7)番目は雲仙市南串山町の馬鈴薯、レタス、たまねぎ、かぼちゃを植える急斜面に広がる雄大な畑である。(8)番目は同じく雲仙市南串山町の農地。橘湾を望む山肌を見事に耕作しており、作物もー7−番目と同じもので認定農業者やエコファーマーなどの担い手が頑張っている。(9)番目は南島原市加津佐町の天草灘に面しただんだん畑。馬鈴薯やレタスが中心だが、小学生や修学旅行生の受け入れを行い、民宿を活用したグリーンツーリズムの計画も進んでいる。(10)番目は西彼長与町木場の蜜柑園。長与ダムを中心に回りを琴の尾岳に囲まれたみかん畑は素晴らしい景観。「夢の郷づくり」への活性化へ向けた取り組みもなされている。

   こう見てくると、ここで大切なのは高齢化が進み、後継者不足が深刻な中山間地域のなかで、これらの地域は極めて積極的に「跡継ぎ対策」に取り組んでいるところが多いということだ。わが国の食料自給率が40%しかないという中で、地方の農業生産者の頑張りは唯一の頼みとするところである。日本の政治が地方を切り捨ててきた結果の地方の疲弊であり、将来的にも政治に期待するところは残念ながら少ない。だが、これらだんだん畑十選のように「天に向かって続くようなだんだん畑」を血と汗と涙で耕し、食糧生産に寄与しているところに県が目を向けたのは素晴らしいことだと思う。何らかの支援の手を差し伸べて欲しい。

   われわれ一般市民もまた、もっともっと中山間地域の現状にに目をやり、彼らの頑張りを側面から応援していかなければならないのではないか、と思う。生産者と消費者は一体にならなければならない。お互いが相手の苦労や要望をそれぞれ知り合っていく。そこに地方は地方なりの活性化対策が生まれてくるのではあるまいか。産地と消費地は共存共栄で行きたいものである。


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