柏文の日記
日々思うこと、感じたことーなど思いつくままに綴ってみようと思う。


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中秋の砂浜も美しい
   夏が過ぎ、もう秋も半ばである。人々が去って行った砂浜のなんと美しいことか。誰が忘れたのか、まだ新しい麦藁帽子、サンダルが白砂に少し埋もれて残されている。「あー、それは私のものなの!」と美しい女性が松の木の陰から日焼けした顔を出しそうな雰囲気である。

   でも、広い砂浜にいるのは私一人だ。素足になって砂浜を歩く。その心地よさはなんとも言えない。太陽のエネルギーをたっぷり吸い込んだ砂の暖かさが足の裏から全身に広がっていく。波打ち際まで進むと、ちょっぴり冷たくなった海水がさらさら、さらさらーーと足の裏をくすぐる。次の瞬間、”ざんぶりこ”と波が足首まで押し寄せた。「おお、気持ちいい!」と独り言を言いながら、波と戯れる楽しさよ。

   ここは離島の壱岐の島である。海も山も自然がいっぱい残っている。あの忌まわしい高度経済成長から取り残され、開発されなかった分だけ、自然が豊かなのだろう。住民たちはその自然の豊かさを今や唯一の売り物にしている。海の幸、山の幸も豊かで、人情も細やか。そんな島の魅力を体験すると、本当に幸せな気持ちになる。

   砂浜は櫻貝のかけらがいっぱい。いや、貝類のかけらは沢山あるのだが、あの紅色の櫻貝が目立つからだろう。一つ、また一つと拾っていくと、すぐ手のひらいっぱいになった。流れ着いていたコーヒーのビンをきれいに洗って、その中に櫻貝を入れると、ますます紅色が冴えてきれいだ。

   瓶の口にそっと耳を傾けると、何かささやくような声が聞こえてくる。「玄界灘の海は少し汚れかかっているけど、まだまだ綺麗だよ。でもね、もうこれ以上海や川を汚さないでおくれ。ただ心配なのは、水温が年ごとにほんの少しずつ上がってきていること。生態系が変わってきている感じで、それが怖いんだよ。確実に温暖化が進んでいるようでね。」−海底の生き物たちからのメッセージなのだろうか。寄せては返す波の音が繰り返し訴えているようだった。    08年9月18日


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